トゥ・シャイシャイ・ボーイ

夢に、初恋の人が出てきて

おどろいて朝4時に目が覚めた。

なんか変な、夢なのかどうかわかんないけど

ストーリー性とか全然なくて、いきなり彼の顔がバーン!て出てきた。

 

小学生の頃もキャピキャピと好きだナンダとあったけど

初恋と言われて思い浮かべるのは中1で出会った玉井のこと。

同じクラスの玉井が気になりだしたのは入学してすぐだった。

顔がすごくいいってワケでもないんだけど、

その佇まいというか、とっても雰囲気があって

ほかの鼻クソみたいな男子たちとは一線を画していた(ように私には見えた)。

日を追うごとにどんどん好きになっちゃって、

7月、夏祭りの日に「好きです」と言った。

「つき合ってください」とも言いたかったけど、言えなくて。

ただ好きだと告白だけして、そしたらなんと

「俺も好きだよ」って玉井が言った。

お湯沸かせるほど頭がアッツアツになったのを覚えてる。

 


村下孝蔵 初恋 Live

 

好きだとは言えたんだけど、

田舎の中1の子供同士だし私も超シャイ・ガールだったし

私たちにはなんの発展もなかった。

ただの一度だけ、夏休みに友達がやいやい言うて

5,6人で夜に花火をして、帰り道チャリンコ2ケツで送ってくれたことがあった。

スーパーど緊張で、最初の「乗るよ」と最後の「ありがと」しか話せなかった。

家まではチャリンコで15分くらいなんだけど、

まじでいつまでも着くなと思ったり

信号よ全部に赤になれって思ったり

やっぱり体重を感じてほしくなくて止まってくれるなと思ったり。

後輪のとこにステップつけるタイプのヤツで、

玉井の肩につかまってた手、洗いたくなくてその夜は風呂も入らなかった。

なんでもっと話せなかったのか、あんな話題ふればよかったかなとか、

ひと晩中考えてはニヤけて後悔して、次こそは...と。

 

けど残念ながら私と玉井に次はなかった。

花火以降、夏休みに玉井と会うことはなく

二学期が始まってもあいかわらずって感じで、

三学期になると、玉井がいっこ上の女とつき合ってると噂になった。

下駄箱でその女と玉井が待合せてる現場にも遭遇した。

 


stay dream heyheyhey

 

まさに死んじまいたいほどの苦しみと悲しみ。

 

そして二年生の夏には、親友のヨーコが玉井を好きになり、

玉井もヨーコのことを好きになった。

今度こそ本当に死んじまいたいというか、消えてしまいたいと思ったもんだ。

隣のクラスだったヨーコとも口聞けなくなっちゃって。

廊下で仲睦まじく話してる二人を恨んだ。

三年生になって、髪の色が茶色いぞって私とヨーコが揃って学年主任に呼ばれて

先生の説教なんか全然耳に入ってこなくって、ソワソワしちゃって。

職員室の帰り道、ヨーコが話しかけてきて私は堰を切ったようにいっぱい話した。

お門違いなのわかってたんだけど、恨んでましたよごめんねって。

玉井とヨーコは半年くらいであっさり別れてたようだった。

 

その後も玉井は浮名を流し続けていたけど、

3年間、ずっと玉井が好きだった。

クラス替えのない3年間は、地獄のようなしんどさもあったけど

ずっと好きだったから今思えば天国だったのかも。

卒業アルバムにクラスのみんなとメッセージ書きあってて、

3年分の勇気をふりしぼって玉井にも「書いて」てお願いしたら

「元気できれいでいてください。玉井」て。

敬語に距離感をおぼえつつ、ずっともう嫌われてると思ってたから

死んでもいいってくらいうれしかったなー。

 

私は駅3つ下った高校に、玉井は駅5つ上った高校に行って

全然顔合わせることもなくて、玉井のことも全然考えなくなってた高1の秋、

同じクラスで仲良しだった隣の中学出身のヨシミが、「玉井って知ってる?」と。

信じられないことにヨシミは玉井とつき合ってるんだという。

玉井とヨシミのグループデート的なとこにしょっちゅう呼び出されて、

けどほとんど言葉を交わすこともなく、

にしても、あいかわらず好きだなーこのヒト。とか思ってた。

私も怖いヤツだな。。

あっという間に玉井とヨシミに別れがきて

以降は私もようやく玉井スパイラルから抜け出して、

たまーーーに駅前でその姿を見かける程度で、

たぶん最後に見かけたのは高2の秋。

玉井のかたわらには激しめのギャルがいた。

 

成人式にも玉井の姿はなかった。

 

で、23歳のとき、玉井は死んじゃったらしい。

胃がんで、若いから進行も早かったようで

わかったときには手遅れだったんだって。

「あんたの同級生の子が死んじゃったってよ」と

母親が電話で知らせてくれたのだった。

 

 

そんな玉井の顔が突然夢に出てきたから、

驚いて4時に目も覚めるし長々とこんな思い出を語ってしまう。

きっと明日には恥ずかしくなってどうしてこんな投稿を..とか

後悔しそうだけど、なんか語らずにはおられない。

 


夢で逢えたら 鈴木雅之